VOCALOG

社会科学はVOCALOIDを探し求めるか

今年も12月がやってまいりました。なんとかコラムの執筆を続けられているSTAR.ac.jpです。MOSAIC.WAV&MOSAIC.TUNEさんのCDを聴きながら、(「Kissして me! me!」が収録されているだなんて!)今年も1年いろいろあったなと振り返りつつ、これが大学生活最後の12月となります。

私はVOCALOIDが好きです。初音ミクが2007年にこの世に誕生してから、既に6年立っています。6年前の私は、高校1年生でした。いわゆる「ボカロネイティブ」よりも少し年が上です。(ここでボカロネイティブの定義を求めると、争いが勃発しかねないので、漠然と「当時小・中学生の世代」と「それ以降」にしておきます。)つまり今年、大学を卒業するあたりから、ボーカロイドというものに慣れ親しんだ子供達が、社会に出て行くわけです。(我々は91年組という、世代と世代の間の「歪み」ですが。)

例えば、自分の初めて買ったCDが、VOCLAOIDのアルバムとか、歌い手さんのCDとか、PMP(ポータブル・メディア・プレイヤー)の類の中には、ボカロ曲がズラ~っと並んでいるとか、ボカロの小説や文献が本棚に並んでいたりとか。

なにが言いたいかというと、これはVOCALOID以外にも関係するのですが、以前のような「カルチャー」の概念が崩壊しつつあるということです。学問のようなハイカルチャーの分野にも、VOCALOIDは入り込みます。技術としてではなく、文化として、そして現象としてです。つまり、アカデミックな意味でVOCALOIDが要求されるのは既に「目の前」に迫っているのです。

その中で一番「疎い」のが社会科学の分野です。社会科学の分野では、VOCALOIDに対して未だに見向きもしていません。唯一最新のマーケティング動向で「ユーザーイノベーション」が嗅ぎつけている程度と言えます。

今、社会科学の分野に限らず、あらゆる分野での「情報の劣化」の速度は凄い勢いで進んでいます。それなのに、それらを学問として「加工」する段階の早さは、残念ながら変わっているとは言えません。結果として、処理できない情報が積まれていき、それらがすごい勢いで腐っていきます。我々は情報の加工の速度を、いままでと同じ考え方で捉えています。これは危機です。(これはあくまで体感的なことで、本当はどうなっているのかは知りませんが。)

求められるものは、「シンプル」で「早い」ものです。ネットがもたらしたのは「早さ」です。人は早さを求めるのです。(そしてこれは、ニコニコ動画が忘れてしまったことでもあります。)

我々はアカデミックの中に、VOCALOIDを持ち込まなければなりません。そこで私は、卒業論文はCGMとVOCALOIDについて書くことに決めました。CGMの分野は注目されています。しかしその情報は、もう古いのです。CGMに注目するのではなく、その中に飛び込まなければならないのです。

私の目の曇りを払ってくれたのは、2012年に、私の大学の芸術系の学部で行われた、卒業制作展での出会いです。そこに展示されていたのは、『乾漆蒔絵痛初音箱』でした。伝統的な技法で文化的な趣のある乾漆蒔絵と、現代のサブカルチャーの象徴である初音ミクとの調和の美しさ。このようなクロスオーバーが、今、まさにこの現代で求められるものなのだ思いました。もし、売りに出ているのなら、言い値で買おう。(財布と相談が必要だが)

幸いながら、CGMに関しては、『Chris, Anderson. MAKERS: THE NEW INDUSTRIAL REVOLUTION. Random House LLC, 2012, 272p(関美和訳. MAKERS―21世紀の産業革命が始まる. NHK出版, 2012, 320p)』が、その重要性を認識しました。WEB上での最新のマーケティングの現在はようやくでありますが、アカデミックの中に取り入れられています。さらにVOCALOIDに関しても、『小川進. ユーザーイノベーション: 消費者から始まるものづくりの未来. 東洋経済新報社, 2013, 256p』が、VOCALOIDについて取り上げました。このユーザーイノベーションの概念も、CGMに関連するものです。

 「社会科学はVOCALOIDを探し求めるのか?」内部からの意見を、今、ようやく外に持ち出す時が来たと思います。誰か本気で研究するやついねーか?A-POPとVOCALOIDを楽しみながら、論文かこーぜ。それが今流行の―カオスな―「カルチャー」だ。

そんなことより、あたしの卒論…提出日に間に合いますかね?

 Q 進捗どうですか?
 A 進捗ダメです!

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STAR.ac.jp

NAME 「STAR.ac.jp」 Twitter @CANNOT_retern
DAIM(reviwer)

 ボカロネイティブならよかったのに。実はA-POPも好物です。A-POPとVOCALOIDって関連性高いと思うんですけど、どうなんでしょうか? DAIMとVocalo Imagineをよろしくね!


コミケット85新刊案内

私が参加している『DAIM』と、私が寄稿した『Vocalo Imagine』の両新刊が、12月31日のコミケット85にて発行されます!


『DAIM Append』

西1 “ほ” 33-b (評論スペース)
 「DAIM」(代表 しま)にて頒布予定。
HP http://c-daim.tumblr.com/
Twitter @C_DAIM

「- Web上で公開され、無料で視聴する事が出来る音楽作品を対象としたレビューサイト -」DAIM。約30名の注目のレビュアーが参加するDAIM。春に制作した『DAIM Pilot』に続き、本格始動した創刊号『DAIM Append』が頒布されます! ページ数は、なんと充実の98ページ! Pilot の2倍以上となります!

レビュアーの感性が交差する「楽曲クロスレビュー」、こだわりの1枚をお勧めする「アルバムレビュー」、一つの世界を魅せてくれる「仮想コンピレーション」、鋭い洞察がキラリと光る「ミュージックコラム」、以上の4つのレギュラーコーナーを前回よりページ数を増量してお届け! さらに特集「DAIMを紐解く!」では、DAIMの秘密についてギリギリまで迫る圧巻の内容です! 

これからの音楽を読み解くためにも、より音楽を楽しむためにも、要チェック! 西2 “う” 40-b の 「G.C.M. Records」(代表 アンメルツP)にも委託予定です。

私は「アルバムレビュー」と、コラム「ボカロ100選座談会 ―皆の百選錬磨―」「Songriumとボカロ100選」の3本を執筆し、コラム「”脳漿沸騰”座談会 ~ヒットソングに必要な要素とは?」に参加しています。

『DAIM Append』の詳細は http://c-daim.tumblr.com/append


『Vocalo Imagine Vol.2』

西2 “お” 34-b (VOCALOIDスペース)
 「マグノリアボイス」(代表 夢見亭くんぺー)にて頒布予定。
HP http://vocalo-imagine.com/Default.aspx

「全国の大学の広範な学問領域と、そこに属する多様な人々の持つ「VOCALOID観」を、いろんな人に伝えて、自分の中でのそれをさらに深めてみましょう」を目的に、これからの「ボカロネイティブ」のために登場した、大学生によるボカロ論考集、それが『Vocalo Imagine』です!

IMAGINEとは「想像」。青春の持つ豊かな創造力に、知性(INTELIGENCE)が合わされば、新しいものが見えてくる! 自然科学・社会科学・人文科学と、幅広い分野からその叡智が結集する! さぁ、いまその扉を開き、青春とVOCALOIDの出会いを目撃せよ!

私は「声と雑音の間への回顧」を寄稿しました。こちらは、ボカログコラムでも公開しています。

声と雑音の間への回顧(上)

声と雑音の間への回顧(下)

『Vocalo Imagine Vol.2』の詳細は http://vocalo-imagine.com/AboutVol2.aspx

 

社会科学はVOCALOIDを探し求めるかにコメント

卒論できたら読めないのでしょうか?凄く興味あります!(中)

匿名

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